about

Shinya Sugimoto

ニューヨークと大阪を拠点にインターナショナルに活動する作曲家、ピアニスト、レコーディングエンジニア。即興的なピアノ、電子音、自然音などの素材を用いて重層的で複雑な音響を生み出し、サウンドプロセッシングを駆使して美しくも破壊的な音の風景を展開する。現代音楽、アンビエント、ジャズ、Hip Hop、映画音楽など幅広いフィールドで活躍している。

1979年、兵庫県宝塚市生まれ。東京のレコーディングスクール卒業後、アレンジャー井上鑑のアシスタントをつとめ、音響ハウス、サウンドインスタジオなど多くのスタジオで音楽制作の現場に触れる。2000年ごろからMaxMSPを使ったMIDI/サウンドプロセッシングを取り入れ、リアルタイムプロセッシングと即興演奏を核とした音響作品を作り始める。2004年、ファーストソロアルバム「Imago」を自主制作。

2006年ニューヨークに移住。2007年、ブルックリンにレコーディングスタジオFreedomSoundを共同設立し、Hip Hop、インディーロックを中心に多くのセッションをおこなう。主な録音にサム・ホフマン&エリック・シュピーゲルマンのオーディオブック「Old Jews Telling Jokes」(2011年度Audie Awardsのベスト・ユーモア部門を受賞)、パトリック・イアン・ポークの長編映画「Skinny」のサウンドトラックなどがある。ソロ・アーティストとしては、国内外の様々なコンサート、アートイベントに参加。2009年ブルックリンのISSUE Project Roomに出演。共演も多く、国とジャンルを超えて様々なアーティストとコラボレートしている。2010年秋のニューヨーク・ファッション・ウィークにはデザイナー、アッシャー・レヴァインの春/夏コレクションのランウェイショーの音楽を担当。近年は映画や映像の音楽も多く手がけており、2012年、カンヌやロッテルダム国際映画祭での受賞で知られるタイ人映画監督、アノーチャ・スイッチャーゴーンポンのビデオインスタレーションおよび短編映画の音楽を作曲した。

社会問題にも関心が深く、これまで、エコロジーやアフリカの教育支援を目的とした様々なチャリティーイベントに参加。ブルックリンのパブリックスクールでラップ、ダンスなどHip Hopカルチャーを通じて子供達を支援するプロジェクト"g.o.s.i.p."に設立から関わり、現在も協力を続けている。インターネット時代の知的財産の所有権に関して批判的な態度を取っており、自身の作品はすべてクリエイティブ・コモンズのライセンスで、多くをフリーダウンロードで発表している。2012年、尺八奏者、川口賢哉とサウンド/ビデオアーティスト、ジェレミー・D・スレーターと共演したライブ録音を「Fukushima 2011」のタイトルでリリース。収益を東日本大震災の復興支援基金に全額寄付している。